介護現場への設置
介護現場における防犯カメラのセキュリティ対策
介護施設内での安全確保の手段として、防犯カメラや監視カメラの導入が一般的です。
厚生労働省(平成28年)は、「社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保について」の文書で、入所者の安全確保に防犯カメラや監視カメラの活用を提案しています。
近年では、AI搭載の「AIカメラ」が主流となっており、監視だけでなく、入退室管理や認知症高齢者の安全確保などにも活用されています。
適切な機能を備えたカメラを適切な場所に設置することで、介護施設内のさまざまな問題に対処することができます。
この記事では、介護施設向けの防犯カメラや監視カメラについて解説し、運用上の注意点や設置のポイント、事例などを紹介します。
介護現場に防犯カメラを設置する理由
介護施設に防犯カメラを設置する理由には、「犯罪防止」に加えて、「見守り強化」と「職員保護」の目的もあります。
見守りを強化する
防犯カメラの設置により、利用者の見守りを強化することができます。AI機能を備えた防犯カメラは、利用者の状況をより正確に把握できるため、必要な時に職員が現場に介入し、適切な支援を提供できます。特に夜間の人手不足による利用者の安全性を考慮すると、見守り強化は重要な課題です。
例えば、「ベッドセンサー」は転倒予防に役立つ見守りツールですが、利用者の部屋からの動きだけでは状況把握が困難です。そこで、防犯カメラの「エリア設定」機能を活用することで、制限エリアからの出入りを検知し、迅速に対応できます。これにより、職員の負担を軽減し、利用者の安全を確保することができます。
職員を保護する
防犯カメラの設置は、職員を保護する重要な役割を果たします。万が一の事故やトラブルが発生した際には、防犯カメラの映像が証拠として役立ちます。特に、認知症高齢者の場合は状況把握が難しいため、防犯カメラの映像と音声により、正確な状況把握が可能となります。これにより、職員の行動が適切であることを証明できます。
徘徊による事故防止の効果
認知症高齢者の徘徊による事故を防止するために、防犯カメラは有効な手段です。
認知症高齢者が無目的に歩き回る徘徊行動は、転倒や熱中症、その他の事故につながる可能性があり、施設管理上の重要な課題です。
防犯カメラを設置することで、施設内外の様子を24時間監視することができます。最新のAIカメラの機能を利用すれば、介護施設の制限エリアから外に出る動きを検知し、リアルタイムで通知することも可能です。
防犯カメラのAI機能を活用することで、行方不明になる恐れのある認知症高齢者を迅速に発見し、事故を防止することができます。ただし、プライバシー保護に十分な配慮をして、適切な設置と管理が求められます。
参考:厚生労働省「総務課認知症施策推進室」
病院・クリニックにおける防犯カメラを設置する際の注意点は?
防犯カメラの設置には、プライバシー保護に十分な配慮が必要です。
防犯カメラの映像には個人情報が含まれるため、設置に際しては慎重な検討が必要です。設置する前に利用者や関係者に対して十分な説明を行いましょう。
以下の項目について、事前に準備を進めることが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
個人情報を保護する | 映像には個人情報が含まれる場合があります。法令を遵守し、映像データの適切な取り扱いが必要です。 |
設置位置の選定 | プライバシー保護の観点から、撮影範囲を最小限に抑えるよう配慮します。死角を考慮し、監視範囲を最適化する必要があります。 |
通知と同意 | 設置の目的や映像データの取り扱いについて、事前に関係者に通知し、説明を行い同意を得ることが重要です。 |
スタッフを教育する | 防犯カメラの適切なルールや運用方法について、スタッフに十分な教育を行う必要があります。 |
防犯カメラのプライバシー保護については、各地の自治体が「防犯カメラの設置および運用に関するガイドライン」を策定されていることがあります。これらのガイドラインに則って、設置と運用を行うことが重要です。
参考: 総務省が発行「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」
設置場所
設置場所は、施設の規模や構造、状況に応じて検討し、プライバシー保護を考慮した上で適切な場所を選定する必要があります。
介護施設における防犯カメラの設置場所は、一般的に以下のような箇所が考えられます。
玄関や出入口
施設の玄関や出入口に防犯カメラを設置することで、不審者の侵入を防止できます。防犯カメラの映像を活用して来訪者の記録を残したり、「AIカメラ」の顔認証機能を活用して入退室管理を行うことも可能です。
駐車場や周辺エリア
施設の駐車場や通路、外壁周辺などの屋外にも防犯カメラを設置することが重要です。これにより、不審者の侵入や事故を未然に防ぐことができます。
廊下や共有スペース
食堂やロビー、待合室などの共有スペースにも防犯カメラを設置することが推奨されます。これにより、施設内を移動する利用者や職員の24時間の見守りが可能となり、認知症高齢者の徘徊を早期に発見できます。
最新の「AIカメラ」の機能を活用すれば、あらかじめ指定した制限エリアから出た場合、カメラがその動きを検知し、リアルタイムで通知することもできます。
介護現場のAIカメラの活用ポイント
AIカメラは、介護施設における事故やトラブルの予防、犯罪の抑止、入退室管理の効率化に役立ちます。以下に、介護施設におけるAIカメラの活用方法をいくつか紹介します。
休日や夜間のセキュリティシステム
AIカメラは24時間監視するため、夜間や休日も安心です。入退室の確認や利用者の見守り、セキュリティーシステムとしても活用可能です。防犯カメラの映像は、スマートフォンを使ってリアルタイムに確認し、警告や通知も可能です。ユナイトベイスの製品は、セキュリティーのセットや解除もスマートフォンからワンタッチで簡単に行えます。
オート警告システム
施設の入口や玄関に顔認証システムを導入することで、入退館者の管理とセキュリティ強化が可能です。
職員や利用者を登録し、入室時や退室時に活用することで、入退室管理がスムーズに行えます。登録された人物のみが入室を許可され、未登録者が検知された場合にはアラームで通知することも可能です。さらに、電気錠システムとの連動により、ハンズフリー入室も実現できます。